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長野県内外に拡がる農林業被害を、サステナブルな「食」で救う。

公開日:2022/03/01


今回は、農林業被害の現場に切り込む! ということで、人気料理系YouTubeチャンネルを主宰するリストランテフローリアの小林シェフとともに長野市松代町の山間で野生鳥獣猟を行う長野森林組合の原翔一朗さんに同行してきました。

今回同行したのは、松代の中心地から車で数分ほどの畑。町を見下ろせる高台にあるとはいえ、住宅地は目と鼻の先。
こんな場所にまで鹿やイノシシ、熊などの大型獣が下りてくるのか、と思ってしまうほどです。



侵入防止柵だけでは防げない


猟と言えば、ライフルをイメージしがちですが、じつは現在、長野県内で生産されるジビエ肉の大半は罠で捕られたもの。

鹿が通るルート上にくくり罠を設置し、深夜早朝にそこを通る鹿を捕縛します。
早速、罠を仕掛けた場所を見にいきましたが、雪が積もってしまうと鹿はほとんど動かないらしく、実際に罠にかかった鹿を見ることはできませんでした。
ただ、罠を仕掛けた場所を見て、驚愕。侵入防止柵の目の前なんです。

聞けば、鹿は張られた侵入防止柵を悠に飛び越え、畑に侵入してしまうのだと言いいます。被害防止は、“防ぐ”、“捕獲”、“環境整備”の3つの対策を組み合わせることが重要なのだといいます。


若手のハンターが増加中


現在、ハンター人口が増えつつあることをご存知でしょうか?
都内の狩猟免許試験には予約が殺到。定員を上回る人気となっています。
県内でも長野県鳥獣対策・ジビエ振興室が中心となって養成講座などを行っており、ハンター人口の増加に取り組んでいます。

ハンターが増えれば野生鳥獣被害も減り、ジビエ肉の生産量も増えます。
長野県らしい持続可能な生産流通形態の構築を目指しているのです。


安全安心を届ける、県認証施設


捕獲された鹿は、精肉に加工するため長野市ジビエ加工センターに持ち込まれます。
現在、長野県内にあるジビエ加工処理施設は32施設、さらに安全安心を追求し、信州産鹿肉認証制度を受けている施設は3施設です。

また、信州産鹿肉認証制度を受けた施設で生産された鹿肉は長野県内のイオン、デリシア系列一部店舗でも購入できます。


信州産シカ肉認証取得の恩恵


自然の恵みである鹿肉の、食品としての安全安心を担保するための仕組みが認証制度。
信州産シカ肉認証を取得しているものは、長野県が自信を持って“自然食”として薦める体に優しい食材に対して、さらに安全安心というお墨付きをもらったことになるから、施設にとって、この認証を受ける恩恵は非常に大きいはず。
例えば、大手飲食チェーンなどは認証施設の高い品質管理を必須としているし、個人経営の飲食店や一般家庭でも安全性を確保できるものを購入する購買要求は急拡大している。
認証を取得することにより、売上が伸びることだって大いに有り得るのです。


徹底した安全管理で消費者へ届ける

「長野市ジビエ加工センター」は、信州産シカ肉認証を受けた県内3施設の中のひとつ。
県が定めた「信州ジビエ衛生管理ガイドライン・信州ジビエ衛生管理マニュアル」に遵守し、適切に処理されたジビエ肉を、トレーサビリティ(追跡管理)システムを用いて管理するから、安全性は折り紙つき。
国産認証も取得しており、カットチャートにより部位も定義されたため、調理方法に合った部位の購入が可能になった。この施設では、直接販売も行っています。

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掲載の情報は公開日現在のものです。最新の情報は施設・店舗・主催者にご確認ください。