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焼き立てのタルトの香りが漂う廃校の小さな喫茶室「泉が丘喫茶室(いずみがおかきっさしつ) 」@飯綱町

公開日:2021/12/13

廃校になった旧三水第二小学校の元給食調理室。新しい憩いの場として生まれ変わったそこには、コーヒーと果物の甘い香りが、穏やかな時間と共に漂っていました。とろりと眠気を帯びたような柔らかい日の光が、店の奥にある窓から差し込んでいるのが見えます。

ショーケースには粉砂糖の化粧をしたタルトが、ぎっしりとならんでいました。香ばしく焼き色がついた1ピースのりんごタルト。そこにはりんご1個分とタルトへのはかりしれない愛がぎゅっと詰まっています。農家の努力と、店主の想いなくしては出会えなかったタルトです。


生まれ育った土地のりんごを
かけがえのないものに

自分が通っていた学校が廃校になる。突然舞い込んできた知らせに、植田さんは少なからずショックを受けました。飯綱町で生まれ育ち、幼い頃からの夢であるカフェの経営を、夫と共に大阪ではじめてから10年経った頃。社会の荒波に揉まれながらも充実した毎日をおくり、めでたく迎えた節目の年。旧牟礼西小学校と旧三水第二小学校が長い歴史に幕を下ろします。信じられないという気持ちを抱くと同時に、新しい利用方法が考えられていることを知り、力になりたいと思ったのが、飯綱町に戻ってきたきっかけになりました。

和気あいあいとした雰囲気で撮影に対応してくれたスタッフの皆さん。前列中央、帽子を被った人が植田さん

ゆくゆくは実家で営むりんご農園の跡継ぎとして地元に戻る予定だった植田さん。10年目という区切りの良い年だったこともあり、大阪のカフェを閉めてUターンを決意しました。飯綱町のまちづくり会社「株式会社カンマッセいいづな」との縁に恵まれ、さっそく旧三水第二小学校の元給食調理室を改装。元学校という特徴を活かし、当時使われていた下駄箱や棚を配したレトロな喫茶室に生まれ変わりました。

提供するのは植田さんも大好きな焼き込みタルト。飯綱産のりんごを中心に、果物の甘みや水分量によって生地の配合を変えて焼き上げています。実は植田さん、地元のりんごを使うにあたり、ある思いがありました。「飯綱町にはりんご農家さんがたくさんいます。生産される品種もたくさんあるのに、加工品がジャムだけなのはもったいない!なかには生のりんごをとても安く売る農家さんもいて…。この町のりんごの価値を上げたいと思ったんです」。


町の活性化になるように、
りんごの魅力を伝えることが私たちの役目。

大阪時代から構想を練っていた「丸ごと×紅玉」、「丸ごと×シナノドルチェ」(各500円)。くり抜いた芯の部分にはナッツとドライフルーツがつまっています

もっとたくさんの活用方法があるはず。そう考えた植田さんは、さまざまなメニューを考案しました。代表的なメニューが「丸ごとりんごの焼きタルト」です。最初はりんごを丸ごと焼くことに抵抗がある人もいたとか。「皆さん、農家として誇りを持って育てているので。今ではありがたいことに珍しいりんごが採れたら、これを使ってほしいと言われることもあるんです」と植田さん。

左から、「アップルコーラ」(1,500円)、100%飯綱産の「オリジナル りんごジュース」(1L 650円、180ml 350円)

最近ではまるでアップルパイを飲んでいるような全3種類の「アップルコーラ」を開発。それぞれりんごの品種とスパイスを変えており、炭酸で割って飲むだけでなく、ホットのほか、料理にも活用できる品だ。もちろん、喫茶室でも提供予定。「今後もオリジナルのりんご商品を作っていきます。ゆくゆくは飯綱産りんごのブランド化を目指したいです」。

飯綱町では約50種類のりんごが収穫されます。店舗では日替わりで20~30種類を使用。和りんごから西洋りんごまで幅広く、珍しい品種が登場することも。少しでも力になればという思いで、品質は問題なくても台風の被害で商品にならなかった果物を農家から仕入れるなど、食品ロスも意識しています。


\取材当日の焼き込みタルト/

※価格はすべて1ピースあたりの価格を表記しています。
※りんごの品種や使用食材は季節によって異なります。

「2種りんご」450円
日替わりで2種類のりんごを使用。アーモンドクリームの下にはりんごジャムを忍ばせています。

 

「5種ベリー」450円
イチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、クワの実、グロセイユ(赤すぐり)がたっぷり!時期が合えば飯綱産の果実を使用します。

 

「ショコラタタン」450円
チョコブラウニー生地の下は、チョコの濃厚な甘味と合うよう、酸味のあるりんごを使ったタタンになっています。

 

「タルト・オランジェ」450円
紅茶風味の上品な味わいのアーモンドクリームと、ジューシーなオレンジがベストマッチ。

 

「マスカット×キウイ」450円
シャインマスカットにドライキウイを合わせた一品。マダガスカル産の野生のブラックペッパーを使用。フルーティーな味わいなので、果物との相性が抜群です。

 

「リンゴ×ベリー」450円
甘酸っぱいブラックベリーやクランベリーに、同じく酸味のある紅玉を合わせたタルトです。


コーヒーやラテには「MYOKO COFFEE」の丁寧に焙煎した豆を使用。タルトのずっしりとした味わいを、懐の深いコーヒーが支えます。

シードル醸造所などが備わった「いいづなコネクトEAST」内にあります。下駄箱などを再利用しつつ、赤と黒で校舎とは異なる空間を演出。滋味あふれる鹿肉を使ったジビエバーガーなど、ランチも楽しめます。

泉が丘喫茶室(いずみがおかきっさしつ)
●住所
長野県上水内郡飯綱町赤塩2489
いいづなコネクトEAST 1F
●電話
026-253-3211
●営業時間
ランチ11時~14時、カフェ11時~17時(イートイン16時30分LO)
●定休日
月曜
●席数
28席
●駐車場
10台
●公式HP
iizuna.jp/iicone-east.html
●Instagram
@izumigaoka.tart
●delicious✕Komachi
https://www.deli-koma.com/1023454.html


※本記事は月刊長野Komachi2022年1月号ときめく♡スイーツ特集の一部を転載したものです

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