自然に寄り添う開放的なカフェ「EMMA’s HOTDOG(エマズホットドッグ)」無添加の自家製ソーセージと地元で採れた無農薬野菜のホットドッグで子どもと安心のランチを@長野県茅野市
美しい山並みに囲まれた箕輪町に、気候や風土に逆らわず、環境にやさしい農業を営む農園がある。
「土のある生活」を意味するこの農園では、長谷川さん夫妻が約20種類のハーブと珍しい西洋野菜を育てている。
長谷川寛さんと奥さまの晴子さん。
農園を開いた当時はこの土地でどんなものが作れるか、少しずつ、いろいろな種を試したそう。
今農園で育てているものは、ここの環境に合ったもの。
写真はラディッシュ。野菜だけでなく、花も甘くておいしい。
主に料理の飾りつけに使用される。
「23年前にこの土地で農園を開いてから、化学肥料や農薬は一切使っていません」と園主の寛さん。
畑には雑草をあえて生やしたまま。
そこに害虫がつくことで、ハーブや野菜たちを守ってくれるからだ。
その害虫を、畑に住みついたテントウ虫やカマキリ、カエルが食べてくれる。
彼らと共生することで、自然な方法でハーブを育てることができるという。
「農園をはじめたばかりの頃は、知り合いにカマキリの卵をもらったりもしました。今は自然のままにしています。
植えてあるものより雑草の背が高くなったら、風通しを良くするために切る。
それを早く腐るように細かいチップにして、土に入れて(緑肥)循環させるんです。
肥料も何も入れなくても、ハーブは自然にあるものだけで育ちます。
西洋では雑草にあたりますからね。ハーブは強いです」と寛さん。
取材当日、長谷川さん夫妻が摘みたてのペパーミントやフェンネル、オレガノなどでテーブルを彩ってくれた。
「ハーブはすべて葉の裏に香りの粒があるんです。
匂いを嗅ぐ時は、葉と握手して香りを指につけるんですよ」と寛さんが教えてくれた。
エディブルフラワーは野菜の花も混じっており、すべて食べられる。
ハーブとは、香りのある使い道のあるもののことを言うのだそう。
農園をはじめた当初は、ミントやローズマリーなどもすべて「ハーブ」でひとくくりだった。
だんだんと人々の生活に馴染むようになり、昔に比べてだいぶ身近な存在になったと寛さんは語る。
寛さんは神奈川県出身。
酪農の勉強をしていたが、人の生活に寄り添うハーブに魅力を感じ、大学卒業後は全国各地やニュージーランドの観光農園に勤めたそう。
独立を考えていた頃、箕輪町に土地が空くことを知り、移住後すぐに就農した。
「この仕事をはじめた時から、ハーブを知ってもらいたいという想いがあります。
意外と身近にあるけど、料理のプロの人も、使い方がわからないものが多い。
お茶など、簡単なことから親しんでもらえればうれしいです」。
ハーブや野菜はすべて種から育てる。
一粒ずつピンセットで蒔いて、収穫もすべて手作業。
なるべくビニールは使わず、石灰でできた分解性のマルチを使い、土に還るようにしている。
水は基本的には雨だけ。ハウスはメッシュでできており、自然に雨が入るようになっている。
野菜はイタリアンやフレンチレストランに卸すことが多いそう。
5色のミニトマトや花ズッキーニ、黄色や紫のインゲンなど、美しい色合いのものがそろう。
農園ではハーブソルト作りのワークショップも受付。
材料は乾燥させたタイム、バジル、オレガノなど5種類のハーブと岩塩、海塩。
肉や魚はもちろん、おにぎりやたまご焼きなど、さまざまな料理に活用できる。
晴子さんが入れてくれた新鮮なペパーミントティー。
口当たりの良いさわやかな風味がスーッと身体に染み渡る。
ハーブティーは95度くらいのお湯で淹れて、5分蒸らすのが基本だそう。
それ以上は渋味や苦味が出てしまうので、ハーブを取り出すのが良い。
蓋をしてしっかり蒸らすことも大切で、色や香りがよく出ると教えてくれた。
オンラインショップでは、ハーブソルトのほか、ハーブティーやハーブシュガー、エディブルフラワーソルトなども販売中。
なかでも珍しいハーブシュガーは、ラベンダー、カモミール、ミントの3種。
アイスやヨーグルトにかけたり、リキュールに入れてモヒートにしたり、使い道はさまざま。
おすすめはカモミールをかけたバタートースト。青りんごのような甘い香りがバターとマッチするそう。ぜひ試してみたい。
エディブルフラワーソルトは最近発売した新商品で、パスタやドレッシングに使用するほか、天ぷらや揚げ物に添えれば華やかに。
そのほか、ほのかな苦味と豆の甘い香りが広がる黒豆珈琲や、エディブルフラワーやフレッシュハーブの詰め合わせ(現在準備中)も販売しています。
■ナチュラルセンス
●住所
上伊那郡箕輪町中箕輪
●電話
0265・70・9392
●HP
nsense.shopinfo.jp/
●備考
商品の購入やWSの問い合わせはHPから。
【ハーブソルト作り】約1時間~1,800円(ハーブティ付き)※4名から予約可
※本記事は雑誌「月刊長野Komachi」(6月25日発売号)の内容を転載したものです
掲載の情報は公開日現在のものです。最新の情報は施設・店舗・主催者にご確認ください。