「発酵」を究める店主が生みだす里山タイ料理「GUUUT(グート)」＠箕輪町

一般的なタイ料理の概念を良い意味で裏切るディープなタイ料理が味わえるのが、こちらの「GUUUT(グート)」。乳酸発酵により一層旨みが増した自家栽培の野菜や伊那谷の旬の食材、自家製調味料などを組み合わせ、滋味あふれる里山タイ料理を提供しています。

発酵食材を取り入れた『食べタイ「伊那谷」コース（4,500円+税）』の一品「完熟白苺とホタテの和え物」。箕輪町で採れた白苺「白雪小町」とホタテを、宮田村産のニジマスを用いた自家製ナンプラーと伊那谷の柿で作る自家製柿酢などで和えた逸品。ピリッと効いた辛みの中にほんのりと苺の甘さが引き立ち、野菜のシャキシャキと心地よい食感と鼻から抜けるさわやかな香りが絶妙です。

春に採れたコシアブラとタケノコをもち米で発酵させた熟れずし（上）。ナンプラー（左）や柿酢（右）は自家製だからこそ発酵の進み具合で風味が異なり、幅広い料理に活用できます。

箕輪町産の白苺や自家製干ししいたけなど、自家栽培の野菜や旬の食材を使用。

箕輪町の名物料理「とっとき」を冠する「とっときステーキ」（食べタイ「伊那谷」コースの一品）。信州味噌や酒粕、野沢菜で発酵させたブランド牛「天龍牛」に、もち米で発酵させたコシアブラとタケノコを合わせています。

「発酵豚肉の薬膳スープ」（食べタイ「伊那谷」コースの一品）。ニンニクやもち米、スパイスで発酵させた豚バラ肉と発酵ビーツで奥行きのある味わいを醸し出しています。

店主･三浦俊幸さんは、故郷である伊那谷でも古くから伝わる発酵の技を究めるため、発酵のルーツである東アジアの国・タイの地方を訪れて学びました。そんな三浦さんが手がけるタイ料理は、料理を作るために食材をそろえるのではなく、ある食材を生かして作るという生きるための知恵が詰まったものばかり。昼はランチボックスで、夜はコース料理で、料理人の知恵と技が生みだす食材たちの共演が堪能できます。

（長野Komachi3月号に掲載）

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