毎朝餅をつき、小豆を炊く。江戸時代から350年の歴史を紡ぐ、丁寧な仕事が光る碓氷峠の名店「軽井沢 元祖力餅 しげの屋」＠長野県軽井沢町･群馬県安中市

旧中山道、碓氷峠の頂上。長野県と群馬県の境に「しげの屋」は建っています。続々と訪れるお客が一様に求めるのは「ちからもち」。平安時代、碓氷峠に生まれた碓氷貞光という力自慢の武将にちなんで誕生した、この地の名物です。江戸時代に同店が開業した際には、旧中山道を通る旅人たちの疲れを、そのやさしい味わいで癒やしたといいます。

碓氷峠の清らかな湧き水をたっぷりと吸わせてつきあげた長野県産もち米100％の餅は、コシがありながらとろんと柔らかな食感で伸びが良いのが特徴。従来の餅に比べて水分量が多いため、この独特な食感が生まれるそう。

餅に合わせる食材も手を抜きません。二日間かけて丁寧に炊いたあんこ、小諸産青大豆のきなこ。秋になると粗めに食感を残したくるみは東御から取り寄せています。この他ごま、大根おろし、みそくるみの全6種。素材の旨味を引き出すため、手作り･無添加にこだわっています。今春にはテラス席を改装し、美しい碓氷峠の自然をより身近に感じられるようになりました。目の前の熊野皇大神社の参拝と合わせてぜひ足を運んでください。

「ちからもち」（各630円）。写真は左からあんこ、くるみ、ごま。

すりたてを提供するさっぱりとした味わいの「大根おろし」。

「くるみざる」（1,050円）。信州産そば粉を使った八割そばは粗挽きで香り豊か。濃い目のつゆにくるみダレを合わせた甘じょっぱい味わいがクセになる。

長野と群馬、両県の住所を持つ珍しい店。テラス席はワンちゃんの同伴OK！