11/9(土)オープン!ドーナツ専門店「日々どーなつ」自社栽培の素材で作る米粉のオールドファッションとふんわりドーナツ♪カフェ空間も ※プレオープン11/6(水)11/7(木)@長野県長野市
富士見町にある「八ヶ岳カントリーキッチンベーカリー」は長野県外からのリピーターも多い人気店。こちらで味わえるのは石窯を使用し、温度管理や手入れなど手間のかかる伝統的な製法で焼くパン。酵母から始まり、地元の高原野菜やフルーツを使用するなど素材にもこだわっています。イートインもOK。朝9時の開店で定番から季節限定メニューまでそろいます。
気むずかしいから愛おしい新窯。生かすための手間が重要
朝9時の開店を皮切りに、次から次へと人が訪れるベーカリー。「朝一番にならんでもらったお客さんにも、選ぶ楽しさを味わってもらえるように」と、朝9時のオープン時には、全種類のパンが焼き上がっています。
店内に足を踏み入れると、左手奥に見えるのは大きな石窯!
同店の焼成方法は、昔ながらの石窯の中で火を焚き灰を掻き出してからパンを焼く伝統的な製法です。熟成された窯の匂いがパンへとうつり、ほかでは出せない香ばしさを引き出してくれます。
薪窯で焼くのは「食パン」と「クルミレーズン」のふたつで、一回に焼ける量はどちらも16本。30年前の創業当時から提供している主軸商品のひとつです。たっぷりと入ったレーズンの甘味とクルミの香ばしさを楽しめます。
ブドウの枝を燃やして窯を再び温めるのに30分、新しいパンを焼くのにも30分。それを繰り返し食パンは1日約50本、クルミレーズンは約100本焼くことを目指しているそう。それだけ聞くと、さほど大変とは思わないかもしれませんが、そう単純ではありません。
初めの余熱には3時間ほど薪を燃やし、一度パンを焼いて取り出したら温度が下がった分、ブドウの枝を燃やして温度を上げます。季節によって薪窯の温度の上がり方が異なり、窯中の温度は表面温度では確認できないので、腕を入れた時の肌感覚で判断します。
一方の生地は、気温の高い夏は発酵が早く進み、冬は遅くなります。薪窯の温度と、生地の具合。そのふたつを見極めつつ、確実に1時間ごとに焼き上げなければいけないので大変なんだとか。しかし、「優先するのは窯」と店長の吉野さんの基準は明確です。つまり、窯に合わせて生地を作ること、それが味の要になります。
良質な食材に恵まれた富士見という土地で営む
小麦粉は8種類、その小麦粉のブレンド、塩、砂糖、水分量など、それぞれの配合を変えて作る12種類の基本の生地。そして酵母は、自家製の天然酵母、生イースト、ドライイースト、富士山の樹海から採取した酵母で作られる富士山酵母の4種類。それらをパンごとに掛け合わせていきますが、マーガリンは使わずに北海道のよつ葉バターを使うなど、人工的な材料は避け、良質な食材を使用します。
また、野菜やフルーツは、地元の高原野菜、山梨県産のモモ、長野県産のリンゴやブルーベリーなど、どれも新鮮で両県にまたがる土地だからこその強みが存分に生かされています。色鮮やかなフルーツをのせたデニッシュや高原野菜をふんだんに使ったサンド、野菜たっぷりの自家製ルウを詰めた焼きカレーパンなど、富士見町ならではの味に浸れることも、他県からのリピーターが多い理由かもしれませんね。
薪窯で焼くふたつのパンと子どもたちへのメッセージ
同店のオープンは約30年前。当時から焼き続けているのは、小麦粉と水、少しの塩と砂糖の極めてシンプルな材料で焼く「食パン」と、薪窯の高温にも耐えられるよう砂糖の分量を調整し、塩と小麦粉、たっぷりのレーズンで作る「クルミレーズン」のふたつです。
「八ヶ岳カントリーキッチンベーカリー」は12年前に運営が変わり、店長の吉野栄一さんは約7年前に合流しました。千葉の大学を卒業し、広島に本社がある大手ベーカリー「アンデルセン」へ入社。そこで経験を積み、より知識を深めたいとパンの学校へ半年。その後、埼玉や山梨のベーカリーを経て同店へとたどり着きました。
今では、昔たったふたつのパンだけだったとは思えないほど、さまざまなパンがならんでいます。その中でも目を引くのが「カメロンパン」(大250円、小190円)。最初は大きいサイズだけでしたが、300円を握りしめて買いに来る兄弟が、大きいサイズをふたつ買えず、いつもどちらかが我慢。ふたりともに好きなパンを選ばせてあげたいと、小さなサイズが誕生しました。
「小さい頃に食べたおいしいものは、ずっと覚えているから」と吉野さん。カメロンパンもデニッシュも、小さなパンが多いのにはそんなやさしさがこめられています。
「大人の方もお子さんも、おいしいパンを楽しんでください。」と店長の吉野栄一さん。
〈NEMU〉
薪窯食パン 720円
縄文デニッシュ 350円
チーズ食パン ハーフ570円
サンドウィッチ 580円
ミニデニッシュ 180円
明太子フランス 250円
焼きカレーパン 400円
閑静な別荘地の一角。木製瓦ぶきの屋根にちょこんと突き出た煙突がまるで絵本の1ページ!メルヘンの世界に迷いこんだかのような佇まいです。
(こちらの記事は、長野Komachi2023年10月号“おいしいパン特集”に掲載されたものです。最新情報をご確認の上、ご利用ください)
●住所
長野県諏訪郡富士見町立沢1-1436
●電話番号
0266-66-2903
●営業時間
9時~17時 ※1・2月は9時~16時
●定休日
水・木曜(祝日の場合は営業)
※季節による変更や、積雪など気象条件により臨時休業の場合あり。詳細はSNSで要確認。
●席数
12席
●駐車場
40台
●公式HP
https://bakery.country-kitchen.info/
●備考
パンはレストラン、カフェへの持ち込み可能。但し、レストランは1ドリンク制。
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