「長年培った仕入れ力と技術の先に見える鮨のカタチ」（鮨 いぬかい／松本市）食いしんぼう塚田兼司のこれが旨い！

信州ラーメン界のカリスマであり美食家としても名を馳せる塚田兼司が愛して止まない料理を毎月紹介。
今回は、カウンターを介し一人ひとりと向き合い珠玉の技で握る鮨の名店が登場！

澄み渡るアルプスの景色をバックに、一際輝く白亜の城。
そこには、極上の鮨に舌鼓を打つ食通たちが集うという。
今回ご紹介したいのが、有名グルメサイトの百名店にも選ばれる松本市の人気店、鮨いぬかいさんです。
東京、静岡などで修行を積み、実家の鮨店を父から継いで約10年。長い修行を経て自分の城を築いた大将。
今でも仕入れは自分の目でなるべく実物を確認してから仕入れており、旬の素材を見極めながら一つひとつ渾身の握りへと昇華させていくのです。
シャリには地元・松本市島内産のコシヒカリを選び、米酢に微量の赤酢を加え、ネタの仕込み具合に合うよう炊き上げます。
この日の一押しとして握ってくれたアナゴは、半分はふくよかな食感の中に咲くツメの豊かな甘さ、もう半分は塩と木芽でストレートなアナゴの旨味と季節感を楽しませてくれました。
ほかにも、コハダ、牡丹海老、煮ハマと、どれもキレと旨味にあふれ、心を踊らせてくれるのです。
〆のかんぴょうも地元産で、江戸前ならぬ“信州前”の灯りを感じる、すばらしい鮨物語の体験でした。

塚田’sポイント
山菜の季節には、一味変わったコシアブラの手巻き寿司をぜひ食べてほしいのです！
甘ダレと香ばしい海苔と一緒に頬張ると、まるで天むすのような味わいと、春のさわやかな苦味が広がります！
信州前の逸品として超オススメ♥

鮨 いぬかい
静謐な住宅街に建つ洗練された佇まいの鮨店。
店主が膨大な時間を費やして追い求める漁場から、旬の食材を旬の味として提供する。
対面のもてなしにこだわり、客に寄り添う姿勢と想いによって、極上の鮨体験をさせてくれる貴重な場所。

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https://www.deli-koma.com/1021588.html

食いしんぼう塚田兼司のこれが旨い！
月刊Komachiにて連載中。
県内外に数多くの人気ラーメン店を展開する「ボンドオブハーツ」グループの代表。
全国各地のおいしいものを食べ歩き、有名シェフや美食評論家との交流も深い。
信州のおいしいを発掘･発見するべく、止まらない食欲をエネルギーに、食べ歩きの日々は続く…。