「バスク地方の風情を一皿に描いた豚肉の浪漫」（ビストロ ラシェット／長野市）食いしんぼう塚田兼司のこれが旨い！

信州ラーメン界のカリスマであり美食家としても名を馳せる塚田兼司が愛して止まない料理を毎月紹介。
今回は、気取らない雰囲気でフレンチとワインが楽しめる、長野市の人気店が登場！

せせらぐ小川のほとりにひっそりと佇むフレンチレストラン、ビストロラシェットさん。
今回の一皿は、料理が大好きでたまらない料理の神に愛されたビストロラシェットさんの田畑シェフが描く、バスクの伝統的な豚肉料理「バントレッシュ」です。
信州産の豚バラ肉に塩を当て糸で巻き円柱状にした後、表面にニンニク、トウガラシの一種“益都(エキト)”、パプリカ、塩をすり込み冷蔵庫で5日間熟成。
スチームオーブンで狙った温度まで肉の芯温を上げ、肉を休ませたら、提供ごとに分厚く切ってフライパンで表面を焼き上げます。
ソースには、パプリカとトマトを煮た「ピペラード」と、ピペラードを仕上げた鍋で作る卵のソースの2種が添えられ、豚の旨味を引き上げていくのです。
カリカリに焼き上げた表面からは、香味野菜の狂おしい香りと食感、ナイフ面からほとばしる肉汁。
2種のソースが肉を抱きしめ、幸福なる肉の口内マリアージュを演出してくれるのです。
田畑シェフの魔法にかけられた一皿と、お好みのワインと共に過ごすこのひと時、たまりません!

塚田’sポイント
ホウレンソウとベーコンのキッシュ「キッシュ・ロレーヌ」も、彩り豊かな盛り付けと家庭的な味わいがおすすめです。
パテアンクルートや自家製ソーセージなども、恐ろしくワインが進んでしまう絶対外せない逸品ですよ！

ビストロ ラシェット
中心市街地を流れる蛍が舞うという小川を、川辺の2階から臨むビストロ。
親しみやすい雰囲気と家庭的なフレンチが迎えてくれる。
ワインはフランス産をはじめ、長野県産の希少な品種も用意。滋味豊かな味わいと珠玉の一杯の融合を楽しめる。

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https://www.deli-koma.com/1016106.html

食いしんぼう塚田兼司のこれが旨い！
月刊Komachiにて連載中。
県内外に数多くの人気ラーメン店を展開する「ボンドオブハーツ」グループの代表。
全国各地のおいしいものを食べ歩き、有名シェフや美食評論家との交流も深い。
信州のおいしいを発掘･発見するべく、止まらない食欲をエネルギーに、食べ歩きの日々は続く…。