「穂の香（ほのか)」地域の拠り所であるためにパン屋が灯す希望の光＠長野市豊野

2019年10月12日、台風19号による記録的な豪雨は、各地に甚大な被害をもたらしました。長野市豊野町にある『穂の香』では床上2ｍまで浸水。パンのほか、機械類もすべて濁流に飲まれました。２階の住居部分まで水が届かなかったことが、不幸中の幸いだったそう。

「被災直後は落ち込みましたよ。でも、すぐに翌日から復興作業に取りかかりました。お店がなければ収入も見込めない。生きていくためには前を向かないと」と店主の沼倉さん。スタッフたちと力を合わせ、被災から3カ月後の2020年1月13日、沼倉さんの誕生日に合わせて再オープンを果たしました。

周囲の建物はまだ復旧しておらず、夜になると『穂の香』だけにぽつんと明かりが灯っていたそう。それでも、少しでも地元の人に安心してもらいたいという想いで沼倉さんは店をオープン。当日は多くの人が店を訪れ、避難所からは常連客も来てくれたそう。
「これからも地域の人のために長く続けていきたい」と沼倉さんは語ります。

店主の沼倉洋さんと妻の美代子さん

「最初は利益は考えず“やっているよ！”と皆さんに元気を伝えたい。そう思ったんです」穂の香 店主 沼倉洋さん

デニッシュなどのスイーツ系から惣菜パンまで豊富にそろいます。

店主イチオシのデニッシュ食パン。写真は人気No.1の「メープルクルミ」と夏季
限定「甘夏」（共に540円）。甘夏の販売は8月31日までの販売。

外はサクサク、中はもちもち。ほんのり甘い「ちびクロワッサン」65円

A：チーズのコクを感じる「チーズフランス」216円
B：アーモンドスポンジ入りの「ほのかメロンパン」173円
C：生地にもカレー粉を練り込んだ「めちゃ旨カレーパン」173円

パティシエである美代子さんが作るケーキやシュークリームは、2021年7月から少しずつ復活中。

※長野Komachi2021年10月号パン特集に掲載

◆長野Komachi2021年10月号はこちら！
◆通信販売はこちら